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佐世保クリテリウム レースレポート
2025年10月10日(金)、マイナビ ツール・ド・九州2025に先立ち、佐世保クリテリウムが長崎県佐世保市内のコースで開催され、Q36.5プロサイクリングチームのジョゼフ・ピドコックが僅差のスプリントを制し勝利した。
マイナビ ツール・ド・九州が初めて長崎県へやってきた。全4日間の大会日程の初日は、恒例のエキシビションクリテリウム。県の西部に位置する港町、佐世保がその舞台となった。佐世保港を発着し、佐世保駅前を通る一周1.5kmのコースはこの町の魅力を存分に伝えるもの。ここを30周回する全長45kmでレースは争われた。
スタートに先立ってテープカットが行われた。左から大会アンバサダーの中野浩一氏、外間雅広⻑崎県議会議⻑、大石賢吾長崎県知事、池辺和弘ツール・ド・九州2025実行委員会会⻑、宮島大典佐世保市⻑、久野秀敏佐世保市議会議⻑。
昨年大会クリテリウム2位、本戦総合優勝チームであるトタルエナジーズを先頭にスタートが切られた。
気温30℃に達する暑熱の中、13時ちょうどにレースはスタート。しばらくは様子見の展開が続くが、4周目に入ってアレクサンドル・ドゥレトル(トタルエナジーズ)とジョゼフ・ピドコック(Q36.5プロサイクリングチーム)の2名が先行する。2人は数周にわたって先頭を走ったものの、8周目で集団に引き戻された。
4周目に飛び出したジョゼフ・ピドコック(Q36.5プロサイクリングチーム)とアレクサンドル・ドゥレトル(トタルエナジーズ)。
周回賞のかかった10周目は集団から飛び出したマーク・ドノヴァン(Q36.5プロサイクリングチーム)が先頭通過。さらに4名の選手が合流し先頭グループを形成したが、新城幸也(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)が牽引する集団が12周目に追いつき、レースは振り出しに戻った。
メイン集団を牽引する新城幸也(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)。
商業施設「させぼ五番街」がある港を走るプロトン。
続いて一つになった集団からジョルダン・ジェガット(トタルエナジーズ)がアタックし、しばらく単独で先頭をひた走る。数秒差で後につけていた集団からはピドコックが再度抜け出しに成功し、ジェガットに合流。先頭は2名で15周目を完了する。
逃げていたジョルダン・ジェガット(トタルエナジーズ)に合流し再び先頭に立ったジョゼフ・ピドコック(Q36.5プロサイクリングチーム)。
2名と集団のタイム差が数秒でレースが推移する中、18周目にジョフレ・スープ(トタルエナジーズ)、イェローン・メイヤース(ヴィクトリア・スポーツ・プロサイクリング)、マルタイン・ラーセンベルフ(Q36.5プロサイクリングチーム)、アレッシオ・デッレ・ヴェドヴェ(XDS・アスタナチーム)の4名が合流。トタルとQ36.5が2名を送り込んだこの逃げが、この日の勝ち逃げとなった。
集団と19秒差をもって先頭6名が最終周回に突入。トレーニー(研修生)として今夏からQ36.5で走るラーセンベルフがピドコックを最終コーナーで解き放つ。先頭でスプリントを開始したピドコックの後ろからはデッレ・ヴェドヴェが猛然と追い上げ、フィニッシュラインで両者がハンドルを投げ込んだ。
ジョゼフ・ピドコック(Q36.5プロサイクリングチーム)とアレッシオ・デッレ・ヴェドヴェ(XDS・アスタナチーム)のスプリント勝負はハンドルを投げ合う僅差に。
スプリントした選手自身も確信が持てない僅差のフィニッシュとなったが、写真判定でピドコックの勝利が明らかになった。3位にはスープが入っている。
チームメイトと勝利を喜ぶジョゼフ・ピドコック(Q36.5プロサイクリングチーム)。
佐世保クリテリウム結果
1位 ジョゼフ・ピドコック(Q36.5プロサイクリングチーム)1時間00分16秒00秒
2位 アレッシオ・デッレ・ヴェドヴェ(XDS・アスタナチーム)同タイム
3位 ジョフレ・スープ(トタルエナジーズ)同タイム
優勝したジョゼフ・ピドコックのコメント
「長時間の移動があったので、自分のコンディションについては全くわかっていなかったのですが、スタートしてすぐに調子の良さを感じました。調子がいい時には、少人数の逃げでずっと前にいることが後の展開を有利にします。5〜10人分後ろにいたらレースはかなり厳しくなりますから。2年前にも日本を走りましたが、沿道は人で一杯で、たくさんの応援を嬉しく思いました。チームにいいクライマーがいるので明日から活躍してくれるでしょうし、自分自身もトライできると思います。」
周回賞(10周目)
マーク・ドノヴァン (Q36.5プロサイクリングチーム)
周回賞(15周目)
ジョゼフ・ピドコック (Q36.5プロサイクリングチーム)
周回賞(20周目)
ジョルダン・ジェガット(トタルエネジーズ)
周回賞(25周目)
アレッシオ・デッレ・ヴェドヴェ(XDS・アスタナチーム)
ベストジャパニーズ賞
岡本 勝哉(チームブリヂストンサイクリング)
翌10月11日(土)はマイナビ ツール・ド・九州2025のSTAGE1福岡が、筑後から八女までの120.43kmで行われる。周回コースに6度の2級山岳が設定される厳しいルートになっており、初日から総合争いを占う上での最重要ステージとなりそうだ。
(了)